20代が陥りやすい、クレジットカードの自転車操業

最近は新社会人をターゲットにしたクレジットカードのCMが流れているようです。デビュー〇〇カードといった商品です。。
クレジットカードは便利ですし、ポイントサービスも上手く活用すれば結構お得なツールになります。しかし使い方を誤ると支払いが自転車操業になることもあります。実体験から、新入社員や若手社員ほど、自転車操業に陥るケースが多いように感じています。実際にどのような流れで自転車操業に陥るのか、具体的に紹介します。

クレジットカードは便利! だけど使いこなすのは難しい

私もクレジットカードのお世話になっています。会社の飲み会や、急な出費や急いでいる時にクレジットカードを使います。しかし、使った時に手元の現金が減らないのがやっかいで、ついつい使いすぎる元になります。

支払いの自転車操業

クレジットカードの支払いが自転車操業になっている状況、、だいたいイメージできるでしょうか?

クレジットカードの引き落としで口座の現金が無くなり、今まで現金で賄っていた生活費もカードで賄わなくてはならず、そして翌月もカードの引き落としで現金が無くなってカードを使うという繰り返しの事です。

私の会社の同期にも自転車操業に陥っていた人が何人もいます。恐らく3割くらいは自転車操業の経験があるのではないかと思うほど多いです。幸い私の場合は学生時代の貯金があったので自転車操業には陥りませんでした。

カードの自転車操業になる代表的なパターン

【会社の飲み会の幹事がきっかけで自転車操業】
新入社員を含む若手社員は会社の飲み会の幹事を任されやすいです。その時に陥りやすいのが支払いをクレジットカードで建て替えたことがきっかけの自転車操業です。

例えば20人が参加する飲み会の幹事を担当したとします。会費が4千円として、全体で費用は8万円です。さらに残った10人で二次会に行き、そこでの会費が3全円で全体の費用が3万円かかったとします。一次会と二次会を合わせて合計11万円。
建て替えた11万円を集金した際、直ぐにカード引き落とし用の口座に入金すれば良いのですが、自分のお金が増えたような気になって無駄使い(朝まで飲む、キャバクラに行く、高級ブランド買う)して、引き落としまでに使ってしまったとします。
支払いの11万円は自分の給料から負担しないといけなくなります。手取りが18万円だったとして、支払い後に残るお金は18万円-11万円=7万円です。家賃の支払いもあると、残ったお金で1カ月暮らすのは恐らく不可能。現金不足を補うためにカードを使い始めることで自転車操業が始まります。

【急な出費がきっかけで自転車操業】
急に纏まったお金が必要になったことが原因で引きおこる自転車操業です。こういう事がきっかけになります。
「急に帰省する用事ができた…」
「結婚式のご祝儀が必要になった…」
「生活に必要な家電が壊れ、買い替えが必要になった…」
不足した生活費を補うためにカードを使い、引き落としで翌月もピンチになります。

このように、初めから無駄遣いをするつもりは無くても、支払いが自転車操業になる事があります。特に最初のケースは多いので気を付けてください。

自転車操業に陥っている人は飲み会で現金を集める

自分の周りの例ですが、自転車操業に陥っている人が結婚式などで現金が必要になると、仲間同士の飲み会の支払いをカードで建て替えて、現金を集めます。ただ、この方法だと更に自転車操業の状態を悪化させることになります。

自転車操業から抜け出すのは想像以上に難しい

自転車操業に一度陥ると、抜け出すのは恐らく想像以上に難しいです。ボーナスが貰える会社の人はボーナスが抜け出す最大のチャンスになります。その代わりボーナスの大半がカードの支払いに消えるので、ボーナスの楽しみは無くなります。

ボーナスが貰えない場合は、何かで纏まったお金を用意して一気に抜け出すか、毎月の出費を抑えながら数カ月かけて抜け出すことになります。

【毎月の出費を抑えながら抜け出す例を説明します】

手取り20万円で、固定費を除いた残りのお金が13万円だとします。毎月の生活費が13万円で、そのうちカードの支払いは10万円だとします。貯金は0円とします。現在、現金が毎月3万円しか残らず、カードを使わないと生活できない状況に陥っています。

この状況で抜け出すには、毎月の生活費を削る必要があります。例えば、生活費を2万円削ったとします(つまり11万円で生活)。すると以下のような流れで自転車操業から抜け出せます。
0月目:支出(現金3万円、カードの支払い10万円)貯金0
1月後:支出(現金3万円、カードの支払い8万円)貯金0
2月後:支出(現金5万円、カードの支払い6万円)貯金0
3月後:支出(現金7万円、カードの支払い4万円)貯金0
4月後:支出(現金9万円、カードの支払い2万円)貯金0
5月後:支出(現金11万円、カードの支払いなし)貯金0

抜け出すのに5カ月もかかります。毎月2万円の節約をしたのに抜け出す間は貯金もできません。

上の例はカードから現金に支払い方法を変えただけじゃないの?

と思った方は鋭いです。実はその通りです。ポイント還元率の良いカードを活用し、ポイントやマイルで得をしようとした場合、あえて日ごろからカードを使うのも一つのやり方です。
しかしあえて支払い方法を現金にするのを勧めるのには2つの理由があります。

理由1:カードはこまめに利用状況を確認しないと幾ら使ったか把握しにくい
カードを使っても現金が減らないので、マメに出費の管理ができる人でないと使いすぎの原因になり易いです。

理由2:未来は不確実だから
カードの引き落としは使ってから1,2カ月後です。その時の状況を正しく予測できるでしょうか? 大抵の場合は問題になりませんが、例えば他に大きな出費が必要になったり、給料が支払われなくなったら、カードの支払いが滞ってしまいます。
貯金が無い状態でカードを使うということは、毎月一定のリスクを払っているということです。

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