楽天カードは何でリボ払いを勧める? リボ払いの手数料を計算してみた。

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カード明細を確認する度に、楽天カードのリボ推しがすごい…「リボ押し」とはカード会社が過剰とも言える程にリボ払いを勧めてくる現状を表現しています。
例えば、ネットの支払い確認画面に後からリボ払いに切り替えるためのボタンが至る所に配置され、リボ払いに切り替えるよう誘導されている…
どうしてそこまでリボ払いを勧めるの!? リボ払いはカード会社にとっておいしいの!? 今回はリボ払いについて検証します。

リボ押しの実態

私が楽天カードユーザなので楽天カードを例に取り上げています。他にも同じようなリボ推しをしているカード会社があると思います。

実例その1

カードを作るときにリボ払い設定がデフォルトになっている
カードをインターネットで申し込む際に驚いたのが、「支払いはリボ払いにする」という自動リボ払いの設定にデフォルトでチェックが入っていました。つまり、うっかりチェックを外さずに申し込むと勝手にリボ払いになってしまうということ。

実例その2

支払い明細画面でリボ払いにすることを勧められる
支払い合計金額や、各明細の横にリボ払いへの切り替えボタンが表示されます。

リボ払いの基礎知識

まず、リボ払いの基礎知識です。※2016年7月時点の情報です。
【リボ払いとは】
リボ払いは、利用件数・金額にかかわらず、毎月の一定額を支払っていく支払い方法です。急に大きな出費が発生した際などに、支払いを分散することで月々の負担を軽くできるメリットがあります。「負担を軽くする」といっても、支払う金額自体が減るわけではありません。更に、一括払いとは異なり利息が手数料として発生します。

【リボ払いの手数料(金利)】
基本的に利ほとんどのカード会社が年利15%に設定しています。年利15%というのは、1万円の支払いを1年後にした場合に手数料が1,500円かかるということ。半年後に支払う場合は半額の750円です。年利15%を月利にすると1.25%になり、1万円の支払いに対して1カ月の手数料は125円です。

【毎月の支払い】
利用件数・金額にかかわらず、毎月一定額を支払えば良いのですが。一般的には残高スライド定額リボルビング方式が採用されています。これは、支払い残高によって毎月の支払額が自動的に段階的に変化する仕組みです。
楽天カードの場合は、残高20万円を境にこのように毎月の支払い額が自動で切り替わります。

20万円以内 5,000円
20万円超 10,000円

また、毎月の支払金額の計算式は 支払い金額 = 一定の金額 + 手数料 なので、毎月の支払い額が5,000円に設定されていても、実際の支払い金額は5,000に手数料を加えた額になります。毎月の支払額は月単位で変更することが可能です。例えば50,000円の買い物をして、翌月に20,000円、翌々月に30,000円という払い方もできます。

リボ払いの手数料はどのくらい!?

カード会社がリボ払いを勧めるのは、恐らく手数料が高いからだろうと予想はつきます。では実際にどのくらいの手数料を支払うことになるのか? 2カ月に1度、リボ払いで3万円の買い物をした場合のシミュレーションを3年分行いました。毎月の支払い額は1万円に設定しているとします。
手数料は年利15%(1カ月1.25%)
ひと月の支払は 1万円 + 手数料 となります。

日付 買い物 支払残高 手数料 ひと月の支払
2016/05 30000      
2016/06   30000 375 10375
2016/07 30000 20000 250 10250
2016/08   40000 500 10500
2016/09 30000 30000 375 10375
2016/10   50000 625 10625
2016/11 30000 40000 500 10500
2016/12   60000 750 10750
2017/01 30000 50000 625 10625
2017/02   70000 875 10875
2017/03 30000 60000 750 10750
2017/04   80000 1000 11000
2017/05 30000 70000 875 10875
2017/06   90000 1125 11125
2017/07 30000 80000 1000 11000
2017/08   100000 1250 11250
2017/09 30000 90000 1125 11125
2017/10   110000 1375 11375
2017/11 30000 100000 1250 11250
2017/12   120000 1500 11500
2018/01 30000 110000 1375 11375
2018/02   130000 1625 11625
2018/03 30000 120000 1500 11500
2018/04   140000 1750 11750
2018/05 30000 130000 1625 11625
2018/06   150000 1875 11875
2018/07 30000 140000 1750 11750
2018/08   160000 2000 12000
2018/09 30000 150000 1875 11875
2018/10   170000 2125 12125
2018/11 30000 160000 2000 12000
2018/12   180000 2250 12250
2019/01 30000 170000 2125 12125
2019/02   190000 2375 12375
2019/03 30000 180000 2250 12250
2019/04   200000 2500 12500
2019/05   190000 2375 12375
合計 540,000円 49,500円 409,500円

手数料の合計(赤色の数字)に注目してください。3年間で支払う手数料は約5万円です!! この5万円は一括払いなら支払うことの無い5万円です。このままの状態を続ければ更に手数料を支払い続けることになります。たとえ、この時点でリボ払いの利用を辞めた場合も、支払い残高を完済するまで毎月手数料を取られ続けます。(残高が19万円なので、毎月1万円を支払うペースだと、あと19カ月、手数料を払い続けることになる)。
※ちなみに支払い残高が20万円以内の時、毎月の支払い額のデフォルトは5,000円なので、支払い期間が長くなり、もっと沢山の手数料を払うことになりますよ!!!

リボ払いはカード会社にとって「超」おいしい

上のシミュレーションでカード会社が利用者に貸したお金は30,000円 × 6カ月 × 3年 = 540,000円 です。それで得られた手数料収入は3年間で49,500円。逆の立場で考えると預けた金額に対して3年間で約10%のリターンを得たことになります。こんな投資信託があったら買いたいですか!? 私はぜひ買いたいです!! リターンが良だけでなく、投資先(リボ払いの場合はカード利用者)の支払いが滞った際には法的措置を行使することまで可能です。普通の投資信託では元本が減っても泣き寝入りです。

ちなみに、普通預金の年利は0.001%です!
2017年3月現在、三菱東京UFJ銀行の年利は0.001%に設定されています。一方、カード会社が設定しているリボ払いの手数料は年利15%。
普通預金の15,000倍です!!

この時点でリボ払いはカード会社にとってドル箱であることが理解できると思います。

参考【手数料は分割払いの方が若干安い】
楽天カードの場合、分割払いの年利は12.25%~15.00%の変動型で、分割15回以上で年利が15.00%になります。ですので、分割12回(13回や14回は選択不可)までなら、年利を元に計算される手数料はリボ払い(年利15.00%固定)より安くなります。

リボ払いで注意する点

  • カード申し込み時にリボ払いがデフォルト設定になっている
  • 明細をチェックしないと支払い総額が分からず、使いすぎに気づきにくい
  • だらだら支払いで手数料奴隷になる

【カード申し込みでリボ払いがデフォルト】
前述の通り、カード申し込み時にリボ払いがデフォルトになっている場合があります。リボ払いの設定を変更せずにカードと作り使用した場合、気づかないうちにリボ払いが適用されて、一括払いが出来るにも関わらず毎月手数料を取られている事があります。会社の友人に実際にあった事例です。

心当たりのある方、心配な方はカード支払い明細を直ぐに確認してみてください。

【使いすぎに気づきにくい】
リボ払いは毎月の支払いを一定額(正確には手数料が変動するので一定額ではありません)にして支払いの負担を軽くする半面、支払いに負担を感じにくいことで使いすぎを誘発しやすいと言えます。
例えば:ゴルフにハマった会社員Nさんの場合
6万円のゴルフセットを月々1万円のリボ払いで購入したとします。翌月の支払いは当然1万円(実際は手数料がプラスされます)です。
「前の月に高額な買い物をした」という感覚が鈍り、翌月に友達に誘われて5万円のゴルフ旅行に申し込む。これでも毎月の支払いは1万円(実際は手数料がプラスされます)のままです。
そして更にその翌月にはゴルフ旅行の時に友達が持っていた良く飛ぶドライバーが欲しくなり、新品を3万円で購入。結局3カ月で合計14万円の買い物。
毎月買い物をしているにも関わらず毎月の支払いの負担が変わらないため、一括払いの場合に比べて買い物を抑止する力が働きづらく、このままリボ払いで買い物を続けてしまう可能性が高いと言えます。

【だらだら支払いで手数料奴隷になる】
「気づいたら使いすぎてたパターン」の例のように、継続的にリボ払いで買い物をすることで、知らずに高額な手数料を支払うことになります。上のシミュレーションでは、2カ月に1度リボ払いで3万円の買い物をして、3年間で支払う手数料は49,500円でした。(毎月の支払い額を1万円に設定している場合)
3年間で利用した金額は540,000円です。3年間で540,000円なら、正直、大した金額ではありません。それに対して49,500円も手数料を払わされ、それに気づかなければ今後も手数料を払い続ける破目に… これは手数料奴隷と言えるのではないでしょうか!?

手数料奴隷から抜け出す方法

手数料奴隷になっていると気づいたら、先ずはリボ払いを使うのを辞めてください。その上で、支払い残高に対して手数料を出来るだけ払わずに完済する方法が2つあります。

  • 毎月の支払い金額を上げる(繰り上げ返済)
  • 支払い残高を一括払いする

【毎月の支払い金額を上げる】
手数料を出来るだけ払わないようにするには、支払い残高を出来るだけ早く完済する必要があります。リボ払いの便利なのは、簡単に毎月の支払金額を変更できる点です。支払金額の設定を可能な限り多く設定して、いち早く完済を目指してください。支払い金額は月毎に変更できるので、ボーナス月の返済金額を多くするといったことも簡単にできます。

【支払い残高を一括払いする】
支払い残高を一括払いにすれば、今後一切の手数料がかからなくなります。問題は一括払いするための資金だと思います。もし貯金がある方、又はボーナスを貰える方は、それを使って一気に完済することをおススメします。その方がトータルで出費が少ないからです。
貯金が無い、ボーナスもまだ大分先という方は、金利の安いローンに切り替えるという方法があります。金利が高いリボ払いの残高を、比較的金利の安い銀行ローンを借りて完済することで、トータルで手数料の出費を押さえることができます。
但し、リボ払いの残高を完済したことで、すっきりして、これまでと同じペースで買い物をするのは厳禁です。

今回はリボ払いについての調査で手数料を計算してみましたが、正直その高さにビックリしました。確実にリボ払いは避けるべき支払い方法です。では、リボ払いを利用せずに済む方法は!? 本文中でも書きましたが、まずはある程度纏まったお金を貯めておくことに尽きると思います。

次の記事 > カードの設定を今すぐ見直そう! リボ払の設定に気づかず使い続けると超損しますw


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