第4回 効率的に節約をするコツ

第3回では、お金が貯まる仕組みの2つ目として、一カ月の予算を設定すべきと話しました。そこまでの仕組みができていれば、お金が貯まる仕組みとしては十分だと思います。
次に必要なのは支出をコントロールすることです。そして支出のコントロールには「効率的な節約」と「予算の進捗管理」がポイントになります。
今回は「効率的な節約」について考えたいと思います。

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【貯金が出来るようになるための3つのポイント】
1.貯金の目的と目標を決める
2.お金が貯まる仕組みを作る
3.支出をコントロールする
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■仕組みだけでは貯金ができない


給料から自動的に貯金をする仕組みを作ることと、一カ月の予算を設定することをお伝えしました。お金が貯まる仕組みとしてはこれで十分ですが、次の課題は、設定した予算通りに生活をすることです。

今まで通りにお金を使っていたら、必ず予算が足りなくなるからです。そこで避けて通れないのが節約です。

「節約は難しい、大変」と考える人も多いかと思います。確かにその通りだと思います。しかし、ポイントを押さえることで比較的楽に効率良く節約することができます。

更に、節約はスタートした時が一番エネルギーが必要です。
例えば、毎月の生活に30万円使っているAさんと、15万円で生活しているBさんがいます。Aさんが生活費を15万円に抑えようとしたら節約しなくてはならず、エネルギーが必要になります。

しかし同じ15万円でも、Bさんは節約をしているでしょうか?? 

Bさんはこれまでずっと毎月15万円で生活しているので、それが普通であり、節約のためにエネルギーを使う必要はありません。つまり、節約のために生活を変えることにエネルギーが必要で、一旦その生活に慣れれば、それが当たり前になり、節約を意識しなくてもお金が貯まるようになります。

■楽に、効率的に節約する方法

ポイントは2つです。
・節約に手間をかけない
・ルールを作る

■節約に手間をかけない

「節約」というとどんなことをイメージしますか??
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・お弁当を持参して昼食代を浮かせる
・家から水筒を持参して飲み物代を浮かせる
・少しでも安く食材を買うために隣町のスーパーまで買いに行く

こんなイメージをしていても節約は上手くできません。なぜなら「手間がかかる」割に「節約できる金額が小さい」からです。

・お弁当を持参して昼食代を浮かせるには、毎日お弁当を作る手間が増える
・家から水筒を持参して飲み物代を浮かせるには、毎朝飲み物を準備して水筒に入れて、重い水筒を持ち歩く手間がかかります。
・少しでも安く食材を買いに隣町のスーパーまで行くには、隣町まで行く手間がかかります。
(正し、これらを手間だと思わない人には効率的な節約方法と言えます)

そしてこのような節約方法を実践しても、一回に節約できる金額は数百円程度です。

おそらく、上のようなイメージを持っている人は、「節約=大変な事、辛い事」と考えているのではないでしょうか? もしそうなら、それは考え方を改める必要があります。「節約=無駄を減らすこと」と考えてください。

■手間がかからず、金額の大きなモノから節約する

節約は、出来るだけ手間がかからず、一回に節約できる金額が大きいモノから始めましょう。

僕の場合、飲み会のお金を節約することにしました。もともと飲み会に凄くお金を使っていて、12日連続で飲みに行ったこともありました。
特に平日の飲み会やキャバクラなどに行く行為を無駄と考えました。

飲み会を節約する場合、「行かない」という判断をするだけなので、手間がかかりません。
更に、一度飲みに行くと2次会を含め5、6千円はかかるので、一回に節約できる金額も大きいと考えました。

お勧めする節約の例を挙げます。
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【保険料や携帯電話の契約の見直し】
一度見直しをすれば、後は手間をかけず一定額を節約できます。見直しの内容によっては何千円も浮かせることができるので、節約の効果も大きいです。

【高額商品の購入を見送る】
社会人になったから海外の高級ブランドの腕時計が欲しい…。高いスーツを着たい…。気持ちは分かりますが、購入を見送るだけで何万円、何十万円の節約ができます。
独立を考えている人ならば、独立する資金が貯まってからの購入でも良いのでは?? 

【飲み会を減らす】
毎週金曜日の合コン、必要ですか!? 合コンで女の子に奢っていると、2次会や3次回を合わせて1回で1、2万円はお金が必要になります。合コンを隔週にするだけで、月に4万円近く節約できます。

【休日恒例「家族で外食」を減らす】
家族を持っている方で、休日に家族で外食している方、多い気がします。「お母さんを休ませるため」と言えば聞こえは良いですが、ならお父さんが料理を作ったり、家族全員でご飯を作る日にしてはどうでしょう。
大人2人子供2人で外食した場合、1回に8千円くらいはかかりますよね!? これは手間がかかる節約と言えるかもですが、1カ月で3、4万円の節約ができます。
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■ルールを作る

「明日から飲み会を減らすぞ!!」と決心しても、具体的にいつどのように減らせばよいか、、なかなか難しいものです。そこで「ルール」を作ります。

例えば僕はこんなルールを作りました。
・平日の月~木は自分から飲み会に誘わない
・一人で飲みに行かない

シンプルなルールですが、このルールを設定したことで飲み会の回数がそれまでの半分程度に減りました。
月で考えると4万円くらいの節約になっています。

幾つかルールの例を挙げます。
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【ついモノを買ってしまう人】
・ブランド品は誕生日とクリスマスの時に買う
・今の目標を実現するまでクルマを買わない
・毎月の洋服代の予算は1万円にする

【旅行代を節約したい人】
・海外旅行は年2回までとする

【外食代や週末の買い物代を節約したい家族】
・月末は毎月家族で焼き肉に行く。それ以外の週末は、夫婦で一緒にご飯を作る。
・週末の買い物は隔週にして、買い物しない週はショッピングセンタにも行かない。
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■最初から厳しいルールを作らないこと

ルールを作る際のポイントは最初から厳しいルールを作らないことです。
「これなら絶対に守れる」というルールを考えてみてください。

■他者から干渉を受けにくいルールにする

例えば、「土曜日は家で過ごしてお金を使わない」というルールを立てるとします。
のこ場合、友人から土曜日に遊びに誘われても、誘いを断わらないといけません。

他の予定も無いのに断るのは気が引けると思いますし、
友人に、「こういうルールがあるから無理」とも言いにくいですし、
友人からも、「そこまでして貯金する必要はないよ」と言われそうです。

一方、「月~木は自分から飲みに誘わない」というルールであれば、
完全に他者の干渉を受けることはありません。飲みに誘われた時は月曜日でも飲みに行けるわけです。

余談ですが、「2次会には行かない」というルールも勧めません。1次会で酔っ払ってルールを守る判断ができなくなる可能性が高いからです。

■続けることで楽にルールを守ることができる

甘いルールでも、最初の1カ月は辛いと感じるかもしれません。生活を変えるにはエネルギーがかかります。しかし続けるうちにそれが当たり前になり、次第にルールが楽に守れるようになります。まずはルールを考えてみてください。

支出のマネジメントの次のポイントは「予算の進捗管理」です。ここまで実践できれば、今まで貯金が苦手だった人でも、間違いなく貯金ができます。
第5回 予算の進捗管理