第5回 予算の進捗管理をする

予算をコントロールするための2つ目のポイントは「予算の進捗管理」です。一カ月の間で、「うっかり使いすぎて予算が足らなくなった…」という事態を防ぐために行います。

■今月いくら使ったか、答えられますか?

答えられる人は恐らく少ないと思います。
では反対に、今月の給料があと幾ら残っているか一万円単位でも正確に答えられますか?
こちらについても、恐らく正確に答えられる人は少ないと思います。

しかし、決めた予算で一月暮らそうとした場合、使った金額や残りの金額を把握できていないのは問題です。「気づいたらて予算が足りない…」という状況を引き起こしてしまいます。

■家計簿をつけよう

解決方法は簡単。家計簿を付けることです。
家計簿を毎日付けていれば、今月いくら使ったか、予算がいくら残っているか、把握が簡単になります。

ただ、家計簿をつけ始めて挫折した人も結構多いと思います。
そこで挫折せずに家計簿をつけ続けられる方法、そしてその効果を最大化する方法を説明します。

■賢い家計簿の付け方

ポイントは4つ。
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・シンプルにつける
・日単位の予算計画を立てておく
・グラフにする
・会社でつける

■シンプルにつける

「家計簿」は一日の支出を項目毎に書くものだと考えている人が多いと思います。
しかしそれが家計簿が続かない要因の一つです。つけるのに手間がかかるから長続きせずに挫折します。
実際に、使った内訳と金額を正確に書こうとしたら、レシートを取っておいたりして、品名と値段を入力することになります。1回つけるのに10分は時間が必要になります。レシートを無くして何に使ったか分からなくなったら挫折します。

だから、出来る限り手間をかけずに家計簿をつけるのが長続きのコツです。
僕は一日に使った金額を、ざっくりと1000円単位で書いています。正確性は求めていません。Excelで簡単に作ったフォーマットを使っています。そして1年6カ月、漏れることなく家計簿をつけることができています。

まず、項目毎に書くメリットは何でしょうか(例 「缶コーヒー代 120円」)??
確かに支出の内訳を見える化することで無駄の洗い出しができます。しかし予算内で生活するのが目的ならば支出の内訳を全て見える化する意味はあまりないです。
自分が無駄だと感じているものだけ、確認のために記録をすれば良いです。
例えば飲み会後のタクシー代を無駄な出費と考えるなら、タクシー代のみ、分かるように記録すれば良いです。

家計簿をシンプルに、ざっくりと付けることで、家計簿を付けるための時間が大幅に減ります。
ざっくり1000円単位に、例えば、「今日はお昼代と飲み物代くらいしか使っていないので、だいたい1000円」、「今日は友達と買い物に行って、1000円くらいのランチと8000円の買い物と、交通費を使ったので、だいたい10,000円」という付け方で問題無いです。コツは、自分が使ったと思う額より、少し多めに付けることです。「昼ご飯が600円、ジュース代が240円」なら1000円、「昼ご飯が1000円、コーヒー代、ジュース代でが500円」なら、2000円 とします。
こういう付け方なら、1日1分で家計簿を付けることができます。

家計簿で大切なのは、「綺麗に書く」ことや、「正確に書く」ことではなく、「続けること」です。

■日単位の予算計画を立てておく

「今月はお金を使い過ぎていますか? まだ余裕ですか?」

この質問に正確に答えられる人も恐らく少ないと思います。なぜなら「使いすぎ」か、「余裕」か、比較するための数字が無いからです。
しかし「使いすぎ」「余裕」を判断できるようにすることで、支出のコントロールがし易くなります。

その為に、給料日を起点に1カ月の予算計画を1日単位で立てます。
例えば、「平日は基本的に1日千円、来週の金曜は会社の懇親会があるから5千円、土曜日は友達と遊ぶから1万円」といった具合です。
計画も出来る限り手間をかけないようにすべきなので、家計簿と同じく千円単位の計画にします。

家計簿に付けた支出をもとに残りの予算が計算できるので、家計簿に日単位の予算計画を一緒に書いておけば、両方を比較して瞬時に「使いすぎ」か「余裕」かの判断ができます。
そしてそれをもとに

「予算計画に対して実績は1万円多く使っているから、来週末は家にいよう」
「今月は余裕があるから、次の週末は予定よりも贅沢しても大丈夫そうだ」

といった具合に支出のコントロールができます。

■グラフにする

残りの予算と、1日単位の予算計画は共にグラフ化しておきましょう。こうすることで、現時点で使い過ぎているのか、余裕なのか、より早く認識できます。

残りの予算のラインが予算計画のラインよりも上にあれば「余裕」、反対なら「使い過ぎ」です。

■家計簿は会社でつける

自分が家計簿をつけ続けられている一番の要因はこれかもしれません。

家計簿を家のパソコンで付ける場合、毎日家のパソコンを立ち上げて家計簿のファイルを開く手間が必要です。そのくらい楽勝と感じるかもですが、例えば、終電帰りの日、飲み会の後…家に帰って「さあ、家計簿つけよう」とはなりません。

会社で家計簿をつけてはどうでしょう?
会社で毎日パソコンを使う人なら、仕事としてパソコンを起動します。そして朝一や昼食後、仕事に取り掛かるのがすこし面倒だなと感じる隙間時間に家計簿を付ければ楽勝です。
週末の出費は次回出勤時に記録すれば問題ありません。

ここまで、5回に分けて「貯金ができないサラリーマンのための貯金ノウハウ」を説明しました。
読んで頂きありがとうございます。説明した事を全て実践すれば、嫌でもお金が貯まるはずです。
質問やコメントがあれば受け付けています。よろしくお願いします。

最後に私が使っているフクザワイナゾウ特性の家計簿を公開します。是非活用してください。
イナゾウの家計簿_Excel版.xlsx