知らないと損する税金の仕組み。僕が残業代の85%を税金で取られた話し
※これは実話であり、誰の身にも起こりえる事です。
「4、5、6月は働き過ぎない方が良い」と聞いて、何の事か分かりますか?
また、ボーナスの所得税がどうやって決まるか、知っていますか??
ここには税制のちょっとしたトリックがあり、知らないと罠にハマる可能性が…
そしてこの度、私は完全に罠にハマってしまいました。
3、4、5月の繁忙期に加算された残業代が社会保険料や所得税の名目で持っていかれることになりました。
その割合、残業代の85%!!
金額だと、174,871円!! 海外旅行行けたやん…涙目
こんなブログを運営しているのに、税制をきちんと理解していなかったのです。恥ずかしい。。
今回、私がどのようにして174,871円を貰い損ねたのか、そして174,871円で学んだ税制のトリックを解説します!!
知らないと損をする! 社会保険料の仕組み
まず社会保険料の算出方法を簡単に説明します。絶対に知っておいた方が良いです。
社会保険料の算出方法
社会保険料とは、年金や医療保険、介護保険の総称です。サラリーマンの年金は厚生年金になります。
社会保険料は4、5、6月に支給された給与の平均値をベースに決まります。(つまり多くの人の場合、3、4、5月に働いた額が反映される)
給与支給額に応じた社会保険料は細かくランク分けされており、標準報酬月額表を使って支払う金額が決まります。当然、給与支給額が多いほど社会保険料も高くなります。百聞は一見に如かず。標準報酬月額表を貼っておきます。
例えば、4、5、6月の給与がそれぞれ215,000円、230,000円、200,000円だった場合の厚生年金保険料と健康保険料を算出してみます。
まず、4、5、6月の給与を平均すると、215,000円になります。
これを標準報酬月額表の報酬月額の列に当てはめると、210,000円~230,000円の範囲となります。
この場合、厚生年金保険料の等級は15、国民健康保険の等級は18になります。標準月額は220,000円です。
保険料は、
厚生年金保険料が20,000円
国民健康保険料は10,901円
となります。
とても簡単に算出できます。
算出方法に潜む罠
言わずもがな、4、5、6月の3カ月だけで評価しているところがミソです。
この期間の給与が相対的に他の月よりも多ければ、年収の割に社会保険料が高くなり、手取りが少なくなります。
反対に、この期間の給与が相対的に少なければ、年収の割に社会保険料が安くなり、手取りが多くなります。
社会保険料が10万円アップ…汗 【筆者の事例】
仕組みを理解していただいた所で、私がどのように罠にハマったのか、解説をします。
まず通常、私の月給は固定給なのですが、3、4、5月はプロジェクトがひっ迫したため、残業代が加算されることになりました。
給料として4、5、6月に支払われた残業代は、合計206,026円。
ここまでは良かった…最新のMacBookProを買おうかと意気揚々な気分でした。
しかし、残業代の加算により
標準報酬月額のランクが2つも上がってしまった!!
これにより、固定給だった場合より
厚生年金保険料がプラス 5,455円/月
健康保険料がプラス 2,973円/月
合計 8,428円/月も増額してしまう。
つまり手取りが毎月 8,428円減ることになりました。
年間でなんと、101,136円のマイナス…
この時点で、残業代 206,026円の半分を税金として持っていかれました。
厚生年金も健康保険も、実際は立派な税金
「厚生年金は返ってくるから、取られたわけでは無いでしょ!?」 という人もいます。しかし私は厚生年金も健康保険も立派な税金だと考えます。
まず、支払った厚生年金保険料を取り戻すには、日本国籍で65歳以上生きることが前提になります。長生きするつもりですが、65歳は私にとって30年以上先の話しで、自分が、日本がどうなっているのか、予測は全く当てになりません。65歳という年齢も、もっと伸びるかもしれない。。
例えば知人に、「65歳になるまで100万円を貸してください。65歳になったら必ず返します。老後までの定期預金だと思ってお願いします…」と言われて貸しますか? 貸すとしても戻ってくることは期待しないでしょう。
健康保険は確かに有り難いが、これまで医療機関の世話になった頻度から考えると高すぎるし、お金を払っているからと無理に利用したくはない。健康でいたい。
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知らなくて更に損した!! ボーナスの所得税の仕組み
社会保険料が増える事に気づいた時点で、かなり凹んだのですが、まだまだ甘かった…。
追い打ちをかけるようにボーナスの所得税も爆増!! まさに泣きっ面にハチ状態になったのです。
この仕組みも、絶対に知っておいた方が良いです!!
ボーナスの所得税の算出方法
ボーナスの所得税は、ボーナス支給月の前月の給与所得をベースに算出します。以下のような流れです。
- ボーナス支給月の前月の給与所得から社会保険料を引く
- 「1.」で計算した金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめ、税率(ボーナスの金額に乗ずべき率)を求める
- ボーナスの総額から社会保険料を引いた金額に、「2.」の税率を掛けて算出した金額が所得税になる
前月の給与所得が多いほど、ボーナスの所得税が増え、手取りが減ります。
※ボーナスが月収の10倍以上になるような場合は、別の算出方法となります。
※参考 国税庁 No.2523 賞与に対する源泉徴収
所得税が 73,735円アップ…涙 筆者の場合
この記事を書きながら、気持ちが重くなってます。。
まず、私のボーナスは6月に支給されるので、所得税の計算で用いる給与所得は5月分になります。
5月分に加算された残業代は84,052円で、この影響で「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の税率ランクがなんと、3つも上がってしまいました。
そして、所得税は残業代の加算が無かった場合に比べてプラス 73,735円! つまり手取りがマイナス 73,735円… ふざけている…
まとめ
まとめます。。
残業代で加算された金額:206,026円
残業代の加算で減った手取り:174,871円
手元に入った残業代:31,155円
なんと 85% も税金で持っていかれている。
残業代とは何だったのか…
「税金は働く者を罰し、働かない者を楽にさせる」という言葉を聞いたことがありますが、全くその通り…
これでは国に対してサービス残業をしたのと同じ。時間を返して貰いたいです。。
今回の記事で皆さんに一番伝えたいのは、残業代の加算が7、8、9月だったら206,026円が全て手元に入ったということ。
国の制度を理解することで、制度が自分に味方するようにコントロールできます。
私の場合は全く意識せずにノーコントロールで意気揚々としていたため、174,871円も損を出してしまったのです。
勉強代と割り切るしかありません。。
気を取り直していきましょう!