あなたの家庭は共働きが必要? 平均的な生活を維持できる世帯年収は700万円から

最近は共働きのことをダブルインカムとも言います。世の中、共働きをしたい人も居れば、片方の収入で生活することに憧れる人もいます。
共働きの方がお金の余裕が出るのは明らかですが、反面、子供と過ごす時間が減るなど、デメリットもあります。

今回、二人以上の家庭、つまり夫婦や子供のいる家庭の支出に関するデータを元に、共働きが必要な年収について調査しました。

1ヶ月の生活費の平均は 28万7千円

総務省の家計調査データによると、2015年の勤労者世帯で二人以上の世帯(結婚したり子供がいて、二人以上の家族で暮らしている家庭)の消費支出は平均で287,373円/月です。つまり日本で平均的な生活をしたければ1カ月に30万円近いお金が必要になるらしい…

ちなみに支出は地方で差があります。
最も支出が多いのは関東で、302,368円
最も支出が少ないのは沖縄で、215,411円

東京23区内の世帯の平均は 331,229円 です。
支出の中には家賃が含まれているので、家賃が相対的に高い23区は支出額も大きくなります。
家賃の平均値は全国で8,850円です。(持ち家の家庭に家賃は生じないので、平均すると少ない金額になる)

住宅ローンの返済や自動車購入維持費用は統計に含まれていない

支出の平均値に住宅ローンの返済や自家用車を持つために必要な支出は含まれていません…
しかし、持ち家や自動車を持つ人が多数派で、現代の日本では当たり前の文化になっています。 僕の会社でも持ち家を推奨していますし、僕の育った愛知県では一家に二台以上の自家用車を持つことが当たり前の文化でした。
なので、持ち家に住み住宅ローンを払い、自家用車も持つ想定で計算してみます。

まず、住宅ローンの返済額は、全国平均が 9.5万円/月(2016年度)となります。
住宅ローンを払いながら更に平均レベルの生活をしようとしたら、
1カ月 28.7万円 + 9.5万円 = 38.2万円
のお金が必要になります。
(参考)住宅ローン比較ラボ 住宅ローン利用者の平均値(まとめ)

自家用車については、5年毎に総額250万円のクルマを購入し、70万円で下取りに出すと、1カ月あたりの購入費用は3万円になります。これに加え、駐車場代、自動車保険、自動車税、車検等の費用が年間24万円、1カ月あたり2万円必要だと仮定します。自動車の購入と維持にかかる費用は1カ月5万円です。

以上から、
平均的な生活を送りつつ、持ち家(ローンで購入)を持ち、自家用車も所有するために必要な1カ月の費用を計算します。

消費支出平均:28.7万円/月
住宅ローン返済:9.5万円/月
自動車購入費用と維持費:5万円/月
家賃地代の平均値:-0.9万円/月 ※持ち家だと不要なため

28.7 + 9.5 + 5 – 0.9 = 42.3万円/月

結構な金額になります。

(※)都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出 より

1カ月42.3万円の出費を賄うのに必要な年収は 700万円!!

42.3万円を単純に12倍し、一年間に必要な費用を計算すると、507.6万円になります。これを年収で考えると、社会保障や税金で3割引かれるとして、額面で約700万円程度の年収が必要です。そして、年収が700万円では収入と支出がトントンなので、貯金はできません!

共働きじゃないと普通の生活できなくない!??

国税庁の民間給与実態統計調査(2015年)によると、日本で年収700万円以上の就労者の割合は約13%です。これは単身者も含みます。
つまり、夫婦の片方の収入だけで平均的な生活をできる家庭は13%以下ということです。
また日本の平均年収は414万円(2015年)であり、平均年収では平均的な生活が難しい事も分かります。

以上から、平均レベルの生活をしたければ、ほとんどの家庭で共働きが必須だと言えます。

お互いに平均年収を得ている共働きの夫婦であれば、世帯年収は828万円となり、平均的な生活に必要な年収700万円を超えます。税金を考慮しても、年間100万円程度の貯金もできます。

昔は片方の収入だけで平均的な生活ができた!?

昔とはどの位昔なのか分かりませんが、「昔は結婚したら女性は専業主婦になるのが普通で、夫の収入だけで生活ができた」という意見を聞くことがあります。
本当にそうなのか!? もしそうなら経済的にはとても恵まれた時代…。ということで調査をしました。

僕が生まれた年に近い1985年の平均年収、平均支出を元に評価をします。
まず、、実績値。
男性の平均年収:428万円(1985年)
二人以上の世帯の月間平均支出:27.3万円(1985年)

あれ…年収、支出共に今の状況とほとんど同じです。
つまり、僕の親世代が結婚をして子育てを始めた1985年頃でも、平均的な生活を求めるなら一人の収入では難しい状況だったのです。

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まとめ

今回、二人以上の世帯の平均支出と、平均年収を元に共働きの必要性を検証しました。結論をまとめます。

  • 平均的な生活に必要な年収は約700万円
  • 日本の平均年収は414万円であり、平均的な生活をしたければ、ほとんどの家庭で共働きは必須
  • 今も昔も、夫の収入だけで平均的な生活が出来るのは一部の人に限られる

今回の調査で新しい疑問がいろいろ浮かびました。

  1. “平均的な生活”って、実施にどんな感じ??
  2. 日本の平均年収は414万円と記載したけど、男女差があるのでは??
  3. なぜ「昔は夫の収入だけで生活ができた」と言われるのか??

今後、これらの疑問に対して調査してみようと思います。
引き続きよろしくお願いします。

<統計元>
国税庁「民間給与実態統計調査結果」
総務省統計局「家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)」

<注意・免責事項>
当コンテンツは国税庁「民間給与実態統計調査結果」、総務省統計局「家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)」に基づき掲載しております。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しては、必ず統計元をご確認ください。

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