独身サラリーマンの節税対策 明治安田生命の じぶんの積立 を試してみる。#1
お金の運用していますか?
実は僕、「サラリーマン貯金塾」なんてブログをやっている割にお金の運用はあまり出来ていない。貯金に回したお金のほとんどを銀行口座という地球上で最もリターンの少ない運用システムに入れている。
でも投資信託を買ったり、株を買ったり、最近では仮想通貨を買ったりといった運用については腰が重い。株やFXをやった経験から、しっかりとした戦略を持って取り組まないといづれ損をして撤退に追い込まれる事を学んだからです。つまり、素人考えて売買していても何年も儲け続ける事は出来ない。たまたま景気が良くなるタイミングで買って放置してたらたまたま儲かったと言う事はあるけど、それは宝くじにたまたま当たるようなものである。
という訳で投資に消極的な自分が最近目を付けたのが、明治安田生命の「じぶんの積立」という商品。
この商品、一言で言うと利率が銀行よりも良くて節税も出来る定期預金。
投資信託などに比べても低リスク低リターン型ですが銀行預金よりも遥かにリターンは大きいので、積極的に投資をしないなら「取り敢えず入っておけ」的な存在です。生命保険会社の利益は少なそうなので、明治安田生命のように大手の保険会社の商品じゃなかったら、怪しくて躊躇していたと思います。逆に言うとそのくらい美味しい商品だと思います。
「じぶんの積立」を試してみようと思うので、先ずは「じぶんの積立」がどのくらい美味しいのか定量的に分析してみます。
生命保険料控除を活用して少しでも手取りを増やしたい!!
「じぶんの積立」の概要は以下の通りです。
概要 | 個人年金保険に近い商品。毎月決まった額のお金を保険料として積立て、積立てたお金+αの満期保険金を満期時に受け取れる |
---|---|
払込期間 | 5年 |
満期 | 10年 |
満期保険金 | 積立て額の103%、(5年で解約した場合は101.3%) |
積立額 | 5,000円、10,000円、15,000円、20,000円から選択 |
特徴 | ・生命保険料控除が受けられる ・いつ解約しても積立て額の100%が戻ってくる。 ・災害死亡給付金が付いている |
特徴として、途中で解約しても払った金額が100%で戻って来るのがすごい。普通の個人年金保険は途中で解約すると元本割れをするのがほとんど。
10年で3%の利率なので運用の観点からすると大きな魅力はありませんが、この保険が魅力的なのは生命保険料控除が受けられる点。
むしろこっちがメイン。
年収と現在の生命保険(入院保険や傷害保険も含む)の加入状況が合致すれば、利率以上に大きい節税効果を期待できます。
生命保険料控除というのは、所得税と市町村民税を安くする仕組みです。
所得税と市町村民税は課税所得に規定の割合を掛けて計算されます。課税所得が多ければ当然税金が多くなりますし、少なければ税金が安くなります。課税所得は総支給額から社会保険料や法律で定められた控除額、生命保険料を差し引いた残りになります。だから生命保険料を多く払っているほど課税所得が減って所得税と市町村民税が安くなります。
ただし、支払った生命保険料全てが課税所得から引かれる訳ではありません。下記の通り限度が決まっています。
控除額の限度 | |
---|---|
所得税 | 80,000円以上支払った場合:一律40,000円 |
市町村民税 | 56,000円以上支払った場合:一律28,000円 |
だから既に年間8万円を超える生命保険料を払っている人は「じぶんの積立」による生命保険料控除メリットがありません。反対に今時点で生命保険料(入院保険や個人年金も含む)を払っていない人にはメリットがあります。
ちなみに、生命保険料控除で浮いた所得税は年末調整時に返納されます。
どのくらい手取りが増えるか計算してみました。
じぶん積立で増える手取りを計算
繰り返しになりますが、じぶん積立で手取りが増えるのは、生命保険料控除のおかげで給料から引かれる税金が減るからです。給料自体が増える訳ではありません。
そして、減らすことのできる税金は所得税と市町村民税です。厚生年金保険料と健康保険料を減らすことは出来ません。
所得税と市町村民税の計算式は以下の通りです。
所得税 | 課税所得 × 税率 – 税額控除 |
---|---|
市町村民税 | 課税所得 × 税率 + 均等割額 |
課税所得に税率を掛ける点はどちらも同じです。
課税所得の計算式は 総支給額 – 給与所得控除 – 所得控除 なので、
纏めると、所得税と市町村民税の計算式は
(総支給額 – 給与所得控除 – 所得控除) × 税率
ここから所得税の場合は税額控除分を引き、市町村民税の場合は均等割額を足す。
になります。生命保険料控除は上の式で”所得控除”にあたります。
数学が苦手で無ければ理解出来ると思いますが、生命保険料控除でいくら税金が安くなるかは、控除額 × 税額 で計算出来ます。
所得税の税率は課税所得で変動するので課税所得を計算する必要がありますが、今回計算過程は省略します。
生命保険料控除使って満額の4万円分控除した際に年間でお得になる所得税と市町村民税は下記の通りです。
年収 | お得になる所得税 | お得になる市町村民税 | お得額合計 |
---|---|---|---|
300万円 | 40,000 × 5% = 2,000円 | 28,000 × 10% = 2,800円 | 約4,800円 |
600万円 | 40,000 × 10% = 4,000円 | 28,000 × 10% = 2,800円 | 6,800円 |
800万円 | 40,000 × 20% = 8,000円 | 28,000 × 10% = 2,800円 | 10,800円 |
1,500万円 | 40,000 × 33% = 13,200円 | 28,000 × 10% = 2,800円 | 16,000円 |
※控除額や社会保険料が人によって異なるので、おおよその計算です。
年収600万円で年間6,800円お得。
年収が700万円を超えた辺りから年間10,800万円お得
基本的に年収が多いほど、沢山お得になります。
生命保険料控除は「じぶんの積立」にお金を払込む5年間が有効です。年収600万円で毎月2万円を積立てて満期まで待った場合の利益は
運用益 | 生命保険料控除による利益 | 合計 |
---|---|---|
36,000円 | 6,800円 × 5 = 34,000円 | 70,000円 |
になります。
払い戻し率は105.8%
払い戻し率を重視すると、年間の支払いが8万円を超える事のできる最低限の口数である、月1万円の払込みがベストです。
年収700万円の人が1万円の払込みをした場合の利益は、
運用益 | 生命保険料控除による利益 | 合計 |
---|---|---|
18,000円 | 10,800円 × 5 = 54,000円 | 72,000円 |
になります。
払い戻し率は112%
まとめ
じぶんの場合、生命保険料控除の枠が余っているので、節税を目的に月1万円の積立てを始めてみようと思います。進捗があり次第記事を更新していきます。
最後にメリットとデメリットをまとめておきます。
メリット
- いつ解約しても払込金額の100%を受け取る事ができ、元本割れのリスクが無い
- 満期まで寝かせた場合の利率は銀行口座よりも良い
- 生命保険料控除が受けられる
- 給与口座振替えで払込ができるので貯金し易い
- お金をおろすのに銀行口座よりも手間がかかるので、無駄遣い予防になる
デメリット
- 対面契約が必要で、他の商品も営業される可能性がある。(恐らくドアノック商品の位置づけになっている)
- いわゆる生命保険、入院保険のような特約は無い(定期預金と考えるべき)
- 保険会社が倒産したら払込金が戻って来ないかもしれない
その他、注意点としては満期を待たずに解約すると、その後3年間は同じ保険に加入出来ません。だから、生命保険料控除の節税効果が切れる5年で解約しようとしている場合は注意が必要です。
なお、5年経った時点で追加で「じぶんの積立」に加入する事は可能らしいです。商品が気に入って生命保険料控除の節税効果も持続させたいのなら、新しく加入し直すのが良いと思います。
気になった方はこちら。
明治安田生命 じぶんの積立